【1976年7月製】SEIKO 5 ACTUS 6306-8020/自動巻き 緑文字盤/オリジナルブレス |未整備
¥999,999
残り1点
未整備|この時計は、いま物語の途中にあります。
1976年7月製造の後期アクタスで、6306系ムーブメントを搭載した一本。
緑文字盤が放つ深みのある経年変化が美しく、70年代後半の“シンプル・ドレス系アクタス”として魅力的な一本です。
現在このモデルは、オーバーホールおよび精度調整のため整備中です。
裏蓋には整備痕跡が確認でき、過去にしっかりメンテナンスを受けてきた履歴を持つ個体と読み取れます。
タイムグラファー測定において、下記の数値が確認されています。
【測定結果について】
本個体は ムーブメントの作動自体は確認できるものの、タイムグラファーでの安定した波形が得られず「日差測定不可」 となった一本です。
6306系ムーブメントは堅牢で耐久性に優れますが、45年以上経過した個体では、油膜の劣化・摩耗・巻真周りのトルク伝達の不均一・アンクル周辺のクリアランス変化などにより、センサーが拾う信号が乱れ、測定不能となるケースがあります。
今回も波形が拾えず、
RATE(歩度)
AMPLITUDE(振り角)
BEAT ERROR
ともに数値が確定しない状態でした。
しかし、ここで重要なのは
「測定不可=動作不良」ではない という点です。
実際のチェックでは
*手巻きおよび自動巻きに反応し、テンプの振動は視認できる
*秒針の動きも肉眼で確認でき、停止と動作を繰り返すような症状はなし
*過去の整備痕跡(裏蓋の記載あり)から、一定のメンテナンス歴ありと推測
つまり、“走ることは走る”が、計測レベルでは数値が安定しない=要再整備候補としての判断となります。
▶︎ プロ視点での考察
* 6306は同年代の他シリーズに比べて丈夫な一方、テンプのエネルギー伝達がシビアで、油切れや埃噛みで波形が乱れやすい特徴があります。
*日差が取れない場合は
①油の劣化
②アンクル・ガンギ車の汚れ
③テンプの振れ幅不足
④受石周りの摩耗
このあたりが主要因として挙げられます。
* 数値が安定しないため「現在の精度保証は不可」と判断するのが誠実です。
そのうえで、
“再整備前提で、今後の伸びしろを感じさせるヴィンテージムーブメント”
という位置付けになります。
【この個体について】
今回の測定では正確な数値が得られなかったものの、これは6306特有の“要整備サイン”とも言え、オーバーホールによって本来のポテンシャルを十分に取り戻せる余地を残した一本です。
ヴィンテージを“未来に繋ぐ一本”として再生する楽しさが詰まった、そんな魅力のあるアクタスです。
